食後高血糖とは、食後の血糖値が通常より高い状態のこと。糖尿病の予備群や動脈硬化のリスク要因として重要視されている。健康診断で測定する空腹時血糖値が正常であっても、食後の血糖値だけが高い場合があり、注意が必要である。
通常、健康な人であれば、食事をした後に一時的に血糖値が上がることがあっても、すい臓から速やかにインスリンが分泌されることで、血液中の糖が細胞に取り込まれ、血糖値は速やかに正常範囲に戻ります。しかし、インスリンの分泌量が少なかったり、働きが不十分だったりすると、食後に血糖値が急上昇し、なかなか下がらなくなります[1]。国際糖尿病連合(IDF)のガイドラインでは、耐糖能が正常な人の血糖値の変化を踏まえ、食後1~2時間の血糖値が140 mg/dLを超える状態を「食後高血糖」と位置付けています[1]。
健康診断の「空腹時血糖値」が正常、または少し高い程度であっても、食後の血糖値だけが高い場合があります。このとき「境界型(耐糖能異常)」と呼ばれる糖尿病の予備群、あるいはすでに糖尿病へ移行している可能性がありますが[2]、一般的な健康診断では、10時間以上食事をとっていない状態で、「空腹時血糖値」を測定するため、食後高血糖を見つけることができません[3]。そのため、発見されにくい糖尿病という意味で、俗に「隠れ糖尿病」と呼ばれています。食後高血糖を評価するには、食後1~2時間の血糖値を測定する、あるいは持続血糖モニタリング(CGM: Continuous Glucose Monitoring)が有用です。
食後高血糖の状態が続くと、糖尿病へ移行するリスクが高まるだけでなく、血管に負担がかかり動脈硬化が進みやすくなります。その結果、将来的に脳卒中や心筋梗塞などを引き起こす恐れがあるため、早期の改善が重要です[4]。
【日本糖尿病学会監修】
(最終更新日:2026年7月1日)