頸動脈エコー検査は、脳に血液を送る血管(頸動脈)の状態を超音波で画像化し、動脈硬化の有無や進行の程度を評価する検査。
頸動脈は、心臓から脳へ血液を送る重要な血管であり、動脈硬化の変化が比較的早期から現れやすい部位とされています。この検査では、主に「内中膜厚(IMT)」の計測と「プラーク」の有無や厚さ、性状を評価します[1]。
1.内中膜厚(IMT:Intima Media Thickness)
血管壁は三層構造(内膜・中膜・外膜)からなり、このうち内膜と中膜を合わせた厚さをIMTと呼びます。
IMTは加齢とともに生理的に増加するため、一律の数値ではなく年齢を加味した肥厚度として評価されます[2]。IMTの値は連続的に心血管疾患リスクと関連しており、数値が高いほど全身の動脈硬化が進行している可能性が高いとされています。そのため、将来の脳血管疾患や虚血性心疾患のリスク評価の指標として活用されています。
2.プラーク
血管壁が局所的に盛り上がった状態を「プラーク」と呼びます。一般に1.1mm以上の局所的な隆起(限局性隆起性病変)がある場合に、プラークが存在すると判定されます[1]。
プラークが大きくなり血管が狭くなると、脳の血流が低下することがあります。また、プラークに動きが見られたり、プラークが破綻して血栓を形成したりすると、それが血流に乗って脳の細い血管を閉塞し、「脳梗塞」を引き起こすことがあります。
動脈硬化は、高血圧・脂質異常症・糖尿病・肥満・喫煙などの危険因子が重なることで進行しますが、初期には自覚症状がほとんどありません。
頸動脈エコー検査で動脈硬化を早期に発見し、食事療法や運動療法、必要に応じた薬物療法を行うことで、脳血管障害や虚血性心疾患(心筋梗塞など)の発症リスクを低減できることが期待されます。
【日本超音波医学会監修】
(最終更新日:2026年5月15日)