脳梗塞患者の脳血管内の血栓を直接除去する治療。
柔らかい細い管(カテーテル)を血管の中に挿入して操作し、詰まった脳血管を再開通させる。
脳にある血管が詰まって起こる脳梗塞を、動脈からカテーテルを用いて再び血液が流れるようにする治療を、経動脈的血行再建療法といいます。
日本では脳梗塞治療に使うカテーテルが、2010年に初めて薬事承認され、それ以来新たな機器が次々と開発されて承認されています。この治療では、大きく分けて2種類のカテーテル(ステント型と吸引型)が使用されますが、いずれも比較的太い脳血管(脳主幹動脈)が閉塞した脳梗塞に対して有効であることが示されています。
治療の効果を得るためには、発症してすぐに治療を始めることが大切です。発症から最長で24時間以内に治療を開始できれば、後遺症が残る確率を軽減できます。実際には、時間だけでなく画像検査の結果などを組み合わせて治療を行うか決定します。
発症から時間が経つと脳細胞が死んでしまい、治療の効果が得られません。また、治療中に弱った血管が強く傷んだ場合や血液が再び流れ出したのをきっかけに新たに脳出血を起こす危険があり、注意が必要です。治療は、設備の整った医療機関(ストロークセンター)で専門の医師によって行われます。
実際の治療では、薬剤を用いた経静脈的血栓溶解療法と併用して行われることがあります。
【日本脳卒中学会監修】
(最終更新日:2025年1月7日)