法律に基づく主な歯科健診(検診)には、以下のものがあります。
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妊産婦歯科健康診査……妊産婦を対象に、う蝕や歯周疾患の有無、歯石の付着、軟組織疾患、不正咬合の有無などを内容として実施されます。母子保健法により、市町村が必要に応じて行う妊婦健康診査の一環と位置づけられています。妊娠に伴う口腔環境の変化や不十分な口腔ケアで悪化しやすい歯周疾患やう蝕等の、早期発見と保健指導を目的としています[1][2]。
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乳幼児歯科健康診査……乳幼児(1歳6か月、3歳)に対して、歯及び口腔の疾病及び異常の有無等を内容として実施されます。母子保健法に基づき、市町村が実施主体となり、乳幼児健康診査のひとつとして義務づけられています。歯科疾患の早期発見や発症予防としての保健指導等を目的としています[1][2]。
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児童生徒等の健康診断……児童生徒等を対象として、学校保健安全法に基づき義務づけられた、毎学年定期に行われる検査の項目のひとつに、「歯及び口腔の疾病及び異常の有無」があります。「歯及び口腔の疾病及び異常の有無」の検査は、う歯、歯肉の炎症、不正咬合その他の疾病及び異常の発見を目的として実施されています(ただし、大学においては、「歯及び口腔の疾病及び異常の有無」を検査の項目から除くことができます)[3]。
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歯周疾患検診……成人(20歳、30歳、40歳、50歳、60歳および70歳の者)を対象として、歯周病の早期発見や早期診断、歯・口腔の健康の保持・増進を目的に実施されます。健康増進法に基づき、市区町村が実施主体となって行われています[4][5]。
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有害な業務に係る歯科健康診断……歯またはその支持組織に有害な物を取り扱う業務(労働安全衛生法施行令第22条第3項[6])に従事する労働者を対象として、業務によって起こりうる歯牙酸蝕症その他の疾患の早期発見と継続的な健康管理を目的として実施されます。労働安全衛生法および労働安全衛生規則に基づき、雇い入れの際や対象業務への配置替えの際のほか、対象業務についた後6カ月以内ごとに1回行うことが義務づけられています[7][8]。
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後期高齢者を対象とした歯科健診……後期高齢者医療の被保険者(75歳以上)を対象として、歯・口腔の健康状態のほか、咀嚼機能や舌・口唇機能、嚥下機能といった口腔機能の評価を内容として実施されています[9]。高齢者の医療の確保に関する法律に基づき、都道府県後期高齢者医療広域連合(広域連合)と市区町村との連携のもとで実施されています[10]。
この他にも、自治体等において様々な歯科健診事業が実施されています。また、歯科医療機関で「定期歯科健診」を行っているところも少なくありません。歯・口腔の健康を維持するには、定期的な歯科健診(検診)を受診することが大切です[11]。「健康日本21(第三次)」では、「歯・口腔の健康」の分野において、「歯科検診の受診者の増加」を掲げ、その目標として、平成28(2016)年度時点で52.9%である「過去1年間に歯科検診を受診した者の割合」を、令和14(2032)年度までに95%にすることを目指しています[12]。
なお、歯科口腔保健の推進に関する法律では「歯科検診」の表記を用いていますが[13]、「骨太の方針」には「生涯を通じた歯科健診(いわゆる国民皆歯科健診)に向けた取組の推進」と記載されており[14]、「歯科健診」の表記が用いられています。
(最終更新日:2025年7月15日)