ビタミン(びたみん)

ビタミンは、体内で合成できないものの、正常な生理機能の維持に必要不可欠な微量有機化合物である。13の種類があり、各ビタミンはそれぞれ異なる生理的役割を担っている。食事からの適切な摂取が重要で、過不足のない摂取が求められる。

twitterでシェアする

facebookでシェアする

ビタミンとは

ビタミンは、体内でほとんど合成できないにもかかわらず、正常な生理機能の維持に不可欠な微量の有機化合物であり、食事からの摂取が必要な栄養素です。現在、13種類の化合物がビタミンとされており、その溶解性に基づき、水溶性ビタミン(ビタミンB1、B2、B6、B12、葉酸、ナイアシン、ビオチン、パントテン酸、ビタミンC)と脂溶性ビタミン(ビタミンA、D、E、K)に分類されます[1][2]

各ビタミンの働き

各ビタミンにはそれぞれの働きがあり、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンCは抗酸化機能を持つビタミンの代表です。また、ビタミンCは酸化されたビタミンEを還元し、抗酸化能を回復させるという相互作用があり[3]、サプリメントでビタミンEのみを過剰に摂取すると、この両者のバランスが崩れる可能性があります[4][5]。また、ビタミンDは骨の健康維持に寄与します。なお、ビタミンDとカルシウムを併用する方が、骨折予防効果が高い可能性も報告されています[6][7]。ビタミンKは血液の正常な凝固に働き、骨の健康にも働きます。ビタミンB1、B2、ナイアシンはエネルギー代謝を助ける働き、ビタミンB6はたんぱく質代謝を助ける働きがありますので、エネルギーやたんぱく質摂取量に応じてこれらビタミンの摂取を増やすことも必要です。ビタミンB12と葉酸は赤血球の生成や神経細胞の機能維持に対して協力して働きます。

ビタミンの摂取源

ビタミンは野菜や果物からの摂取を想像する方が多いですが、ビタミンDやビタミンB12のように、肉や魚に多く含まれるものもあります。そのため、さまざまなビタミンを効率的に摂取するためには、多様な食品をバランス良く食べる必要があります。また、ビタミンDは皮膚に紫外線が当たることで体内でも生成されるため、過度に日光を避けすぎないことも重要です[8]

(最終更新日:2025年12月1日)

桒原 晶子

桒原 晶子 くわばら あきこ

大阪公立大学大学院 生活科学研究科 教授

博士(家政学)大阪樟蔭女子大学学芸学部講師、同健康栄養学部准教授、大阪府立大学総合リハビリテーション学類栄養療法学専攻 准教授を経て現在に至る。管理栄養士国家試験委員、「日本人の食事摂取基準 (2025年版)」策定検討会ワーキンググループ構成員(脂溶性ビタミン)

参考文献

  1. 厚生労働省:日本人の食事摂取基準(2025年版),「日本人の食事摂取基準」, 策定検討会報告書,2024
  2. 日本ビタミン学会(編). ビタミン・バイオファクター総合事典, 朝倉書店, 2021
  3. Lloret, A., Esteve, D., Monllor, P. et al. (2019) The effectiveness of vitamin E treatment in alzheimer’s disease. International Journal of Molecular Sciences.20:879.
  4. Bowry, V. W., Ingoldt, K. U. & Stocker, R. (1992) Vitamin E in human low-density lipoprotein When and how this antioxidant becomes a pro-oxidant. Biochem. J. 288:341-344.
  5. Rietjens, I. M. C. M., Marelle G. Boersma, Laura de Haan et al. (2002) The pro-oxidant chemistry of the natural antioxidants vitamin C, vitamin E, carotenoids and flavonoids. Environmental Toxicology and Pharmacology. 11 :321-333.
  6. Avenell A, Mak JC, O'Connell D. (2014) Vitamin D and vitamin D analogues for preventing fractures in post-menopausal women and older men. Cochrane Database Syst Rev. 2014:CD000227.
  7. Yao P, Bennett D, Mafham M, et al. (2019) Vitamin D and Calcium for the Prevention of Fracture: A Systematic Review and Meta-analysis. JAMA Netw Open. 2:e1917789.
  8. Jayaratne, N, Russell, A, van der Pols J. C. (2012) Sun protection and vitamin D status in an Australian subtropical community. Prev Med 55: 146-150.