お菓子や間食の取り入れ方

お菓子は私たちに喜びや楽しみを与えてくれます。どのようなお菓子にどのくらいのエネルギーや栄養素が含まれているのかを知り、お菓子を含めた間食を上手に生活に取り入れましょう。

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私たちは、生活をしていくために必要なエネルギーを食べ物・食事からとっています。朝食・昼食・夕食と3度の食事の間に食べる、お菓子を含めた間食は、私たちに喜びや楽しみを与えてくれます。また誰かと一緒に食べることで、コミュニケーションの場となることもあるでしょう。しかしその種類や量によっては、過度の体重増加など健康に悪影響を及ぼしてしまうことがあります。お菓子にどのくらいのエネルギーや栄養素が含まれているのかを知ること、また、含まれている栄養素の特徴を理解することで、お菓子を含めた間食を上手に生活に取り入れましょう。

どのくらいのエネルギーが含まれているのでしょうか

1人が1回に食べるおおよそのお菓子の量を、含まれているエネルギーごとに記したものが【図】です。カステラ(約50g)が約150kcal、シュークリーム(約90g)が約200kcalです。

図: 菓子・嗜好飲料のエネルギー量(kcal)一覧[1]を参考に作成

菓子・嗜好飲料のエネルギー量(kcal)一覧

どのくらいの量を食べたら良いのでしょうか

例えば1日に1,800kcal程度の食事をとることが望ましい人がいたとします。その人が1日に約600kcalのお菓子を食べた場合を考えてみましょう。この場合この人は1日の食事の約3分の1のエネルギーをお菓子からとったことになります。そうすると食事からとることのできる残されたエネルギーは、全体の約3分の2となります。

食べ物にはエネルギーの他に栄養素(ミネラルビタミンなど)が含まれています。一般にお菓子には、エネルギーのもととなる脂質や炭水化物が含まれています。しかし、野菜や果物、きのこ、海藻類等に多く含まれるミネラルやビタミンなどの栄養素はほとんど含まれていないことが多いのです。従って1日の食事の中でお菓子の割合が増えるほど、脂質や炭水化物以外の栄養素はとりにくくなっていると考えることができます。

以上のことからお菓子を食べる時には、1日の食事量を極端に減らさずにすむ量にとどめる等、全体の食事のバランスを考えながらとることが望まれます。「食事バランスガイド」では、1日のお菓子や嗜好飲料の目安の量を200kcalとしています。また仮にある日にお菓子を多く食べすぎた時には、次の日のお菓子は少なめにするなど、ある程度の期間の中で調節すると良いでしょう。

成長期のお子さんにとっての間食は、3度の食事でとりきれないエネルギーや栄養素を補う良い機会となり得ます。お菓子の量を考え、乳製品や果物などと組み合わせて食べることで、エネルギー以外にもビタミンやミネラル等をとることができるようになります。

(最終更新日:2025年2月17日)

野末 みほ のずえ みほ

常葉大学 健康プロデュース学部 健康栄養学科 教授

管理栄養士、博士(栄養学)。福祉施設での勤務を経て、1999年~2001年に青年海外協力隊栄養士隊員としてチリにて活動。2005年~2016年独立行政法人国立健康・栄養研究所にて勤務(現医薬基盤・健康・栄養研究所)。2017年常葉大学准教授を経て2023年より現職。2023年より浜松市食育推進連絡会委員。

参考文献

  1. 野末みほ, 吉池信男
    「食事バランスガイド」を活用した栄養教育・食育実践マニュアル(若い女性向けの活用―体も心も美しく―).
    第一出版:55-62
    2006.
  2. 厚生労働省・農林水産省決定
    食事バランスガイド
    https://www.maff.go.jp/j/balance_guide/index.html